Pythonで日本株全銘柄の銘柄リストを一括取得

はじめに

はじめに

株式投資に興味がある人やプログラミングで金融データを扱いたい人にとって、全ての銘柄に対して一括で処理を行うことはとても効率的です。Pythonを使えば、日本株全銘柄のリストを取得し、それに基づいて各銘柄に対して一括処理を行うことができます。

今回は、日本取引所グループ（JPX）から日本株の銘柄コードを取得し、そのリストを使って各銘柄に対して何らかの処理を行う方法をご紹介します。このテクニックを使えば、例えば株価データの収集やテクニカル分析を全銘柄に対して自動で実行することが可能です。

必要なライブラリ

このスクリプトを実行するには、以下のライブラリが必要です。

requests: ウェブからデータをダウンロードするため。
pandas: データ操作のため。
xlrd: .xlsファイルを読み込むため。
openpyxl: .xlsxファイルの操作のため。

これらのライブラリがインストールされていない場合は、以下のコマンドでインストールできます。

pip install requests pandas xlrd openpyxl

日本株の銘柄コードを取得する

まず、日本株の銘柄コードをJPX（日本取引所グループ）の公式サイトから取得します。JPXでは、株式市場に上場している全銘柄のリストをExcel形式で公開しています。このリストをPythonを使って自動的にダウンロードし、必要なデータを取得していきます。

以下が、そのためのコードです。※拡張子が古いxlsでエラーが出る可能性があるので一度xlsxに変換する処理を入れています。

import requests
import pandas as pd
import xlrd
from openpyxl import Workbook

# ファイルのURL
url = 'https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/tvdivq0000001vg2-att/data_j.xls'

# ファイルをダウンロード
response = requests.get(url)

# ダウンロードしたファイルを一時的なファイルに保存
xls_file = 'temp.xls'
with open(xls_file, 'wb') as f:
    f.write(response.content)

# .xlsファイルを .xlsx に変換
xlsx_file = 'converted.xlsx'
workbook_xls = xlrd.open_workbook(xls_file)
sheet_xls = workbook_xls.sheet_by_index(0)

workbook_xlsx = Workbook()
sheet_xlsx = workbook_xlsx.active

# データを .xls から .xlsx に書き込む
for row in range(sheet_xls.nrows):
    for col in range(sheet_xls.ncols):
        sheet_xlsx.cell(row=row+1, column=col+1).value = sheet_xls.cell_value(row, col)

# .xlsx ファイルを保存
workbook_xlsx.save(xlsx_file)

# 変換された .xlsx ファイルを読み込む
data = pd.read_excel(xlsx_file)

# B列のデータをリストとして取得
b_column = data['コード'].tolist()

# 結果の表示
print(b_column)

# OR条件を使用して条件に一致する行を抽出
condition = (data['市場・商品区分'] == 'プライム（内国株式）') | (data['市場・商品区分'] == 'スタンダード（内国株式）') | (data['市場・商品区分'] == 'グロース（内国株式）')

# 条件に一致する行を抽出
filtered_df = data[condition]

# B列のデータをリストとして取得
b_column = filtered_df['コード'].tolist()
print(b_column)

コードの解説

ライブラリのインポート: 最初に、必要なライブラリをインポートします。これにより、データの取得や処理が可能になります。
ファイルのダウンロード: requests.get(url)を使用して、指定したURLからデータをダウンロードし、一時的にtemp.xlsという名前で保存します。
.xlsファイルの変換: xlrdライブラリを使用して.xlsファイルを読み込み、openpyxlを使って新しい.xlsxファイルを作成し、データを書き込みます。最後に、converted.xlsxとして保存します。
データの読み込み: 変換した.xlsxファイルをpandasを使って読み込みます。dataというDataFrameに格納されます。
銘柄コードの取得: data['コード'].tolist()を使用して、B列の銘柄コードをリストとして取得します。
条件に一致するデータの抽出: 特定の市場区分（プライム、スタンダード、グロース）に一致する行を抽出し、再度B列の銘柄コードをリストとして取得します。

全銘柄に対して処理を適用する

この銘柄コードリストを使えば、全ての銘柄に対して同じ処理を一括で実行できます。例えば、各銘柄の株価データを取得したり、特定の指標に基づいてスクリーニングを行う場合、for ループを使って効率的に処理を進められます。

以下は、全銘柄に対して何らかの処理を適用する基本的な例です。

# 銘柄コードのリストに対して処理を適用する
for code in b_column:
    # ここに処理を記述（例: 株価データを取得）
    print(f"現在処理中の銘柄コード: {code}")
    
    # 例えば、外部APIを使って株価を取得する処理をここに追加できます。
    # response = requests.get(f"https://some-api.com/stock/{code}")
    # data = response.json()
    # 必要なデータを抽出して保存や分析を行う

このコードを使用することで、例えば1000以上ある銘柄に対して同時に処理を行うことが可能です。処理内容は株価の取得やチャートの生成、あるいは特定の指標を使った分析など、自由にカスタマイズできます。

実践例：全銘柄の株価データを取得

上記のコードは、外部APIやデータベースを使って銘柄ごとにデータを取得する場合に特に役立ちます。例えば、Yahoo Finance APIやAlpha Vantage APIを使って各銘柄の株価データを取得し、それに基づいて分析を行うことができます。

import requests

# APIのURL例（Alpha VantageなどのAPIキーが必要）
api_key = 'YOUR_API_KEY'
base_url = 'https://www.alphavantage.co/query'

# 銘柄コードリストに対して株価データを取得する
for code in b_column:
    params = {
        'function': 'TIME_SERIES_DAILY',
        'symbol': f"{code}.T",  # 日本株の場合、".T" を追加する必要がある
        'apikey': api_key
    }
    
    response = requests.get(base_url, params=params)
    data = response.json()
    
    # 必要に応じてデータを保存、分析
    print(f"銘柄コード {code} のデータを取得しました")

応用編：テクニカル指標の計算

この銘柄リストを使えば、各銘柄に対してテクニカル指標を計算し、売買シグナルを生成することも可能です。例えば、移動平均線やRSIなどの指標を計算し、銘柄ごとの売買のタイミングを判断するツールを作成することも考えられます。

結論

Pythonを使って日本株全銘柄に対して一括処理を行うことで、手作業では不可能な膨大なデータ処理を効率的に行うことができます。今回紹介した方法を応用して、株価データの取得やテクニカル分析、スクリーニングツールの開発など、様々な用途に対応することが可能です。

もし大量のデータを扱う必要がある場合や、株式投資の分析を自動化したいと考えているなら、ぜひこの方法を試してみてください。

最後に2024年10月現在取得したコードの一覧を載せておきます。